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わき腹や背中の痛みは尿路結石?症状と受診目安

公開日

2026.8.28

更新日

2026.8.25

リビングのソファに座る中年夫婦。男性が腰に手を当ててつらそうな表情を浮かべ、隣の女性が心配そうにスマートフォンで症状を調べている様子

こんにちは!うつのみやLA泌尿器科クリニック 院長の鈴木です。

🌀 わき腹から背中にかけて、突然の激しい痛み…これは結石?

🌀 今すぐ病院に行くべきか、朝まで待つべきかわからない


このように、痛みの原因がわからず、不安な思いを持ってこのコラムに来た方もいるのではないでしょうか。

尿路結石の痛みは、結石の位置によって出る場所が変わります。

ただし、受診を急ぐかどうかを決めるのは痛みの強さだけではありません。


今回は、尿路結石の症状と受診のタイミングについて解説します。

いま動くべきか朝まで待てるのか、判断の目安としてご覧ください。

🔸 尿路結石とは?結石ができる場所で呼び方が変わります

尿路結石は、腎臓から尿道までの尿の通り道(尿路)に結石ができる病気です

結石は、尿に溶けているカルシウムやシュウ酸などの成分が結晶になり、それが少しずつ大きくなります。

大部分は腎臓から尿管にかけてできますが、できる場所によって腎結石、尿管結石、膀胱結石、尿道結石と呼び分けられます。


2015年の全国調査では、上部尿路結石を初めて発症した人は年間10万人あたり約138人でした。

また、生涯のうちにかかる割合は、男性でおよそ7人に1人、女性でおよそ15人に1人とされています。

年齢別にみると、発症率が高いのは男性では50〜60歳代、女性では50歳以降で、食事の内容や肥満、水分不足なども「できやすさ」に関わるとされています。

🔸 どこが痛む?尿路結石の症状

痛む場所は、結石の位置を考える目安のひとつです。

結石が尿管につまって尿の流れが悪くなると、腎臓側の圧力が高まり、突然の激しい痛みが起こります

結石の位置で症状が変わります

  • 腎臓にあるとき:痛みが出ないことも多く、出ても腰や背中の鈍い痛み程度のことが多いです。

  • 尿管につまったとき:わき腹から背中、下腹部にかけて強い痛みが出ます。姿勢を変えても楽になりにくく、落ち着いてじっとしていられないこともあります。

  • 膀胱にあるとき:頻尿、血尿、排尿時の痛み、下腹部の痛みなどがみられることがあります。膀胱結石では、排尿の終わりごろに症状が強くなることもあります。

  • 尿道にあるとき:排尿時の痛みや尿が出にくいなどの症状がみられることがあります。


なお、わき腹や背中の激しい痛みは尿路結石でよくみられますが、ほかの原因のこともあります。

なかには大動脈解離のように、急いで治療が必要な病気が隠れていることもあります。

突然始まった強い痛みや、これまでに経験のないような痛みのときは、自己判断で様子をみずに医療機関を受診してください。

尿路結石は結石のある位置で症状が変わることを①腎臓にあるとき②尿管につまったとき③膀胱にあるとき④尿道にあるとき、の4項目で示した図解

血尿や吐き気を伴うこともあります

結石が尿路の粘膜を傷つけて、血尿が出ることがあります。

ただし血尿が出ないこともあり、「血尿がないから結石ではない」とは言えません。


また、強い痛みに伴って、吐き気や嘔吐が出ることもあります。

🔸 急いで受診すべきサイン|発熱があるときは待たないでください

次のようなときは、我慢せず受診してください


発熱や悪寒がある(特に背中の痛みを伴うとき)

尿がほとんど出ない

吐き気が強く、水分もとれない

痛みが強くて動けない


いちばん気をつけたいのは発熱です。

結石で尿がせき止められたところに細菌が加わると、高い熱が出て、全身に影響が及ぶことがあるためです。

このような症状が見られたら、「朝まで様子を見よう」とは考えずに、診療時間を待たずに救急受診を検討してください。

早めに泌尿器科を受診したいサインを①発熱や悪寒②尿がほぼ出ない③吐き気で水分が取れない④強い痛みで動けない、の4項目で示し、我慢せず受診するよう促す図解

「そのうち出る」と待っていて大丈夫?

小さい結石の多くは、自然に出ていきます。

ガイドラインによると、尿管結石は小さいほど自然に出る可能性が高く、結石の位置によっても出やすさが変わります。特に5mm未満では自然排石が期待しやすいとされていて、下部尿管で5mm未満の結石は89%、上部尿管で5mm未満の結石は71%が排出されるとされています。

なお、自然に出るまでには、数日〜数週間かかることがあります。


ただし、待ってよいかどうかは診てみないと分かりません。
自宅で様子をみていいかどうかは、結石の大きさや位置だけでなく、発熱など感染の有無、痛み、腎機能、尿の流れなどを確認して判断します。



自己判断で放置せず、一度受診したうえで様子をみるかの判断をしましょう。

当院での検査と治療

当院では、まず尿検査で血尿や感染の有無を調べ、超音波で結石の大きさと位置、腎臓が腫れていないかを確認します。


結石の大きさと位置は、治療方針を考える大切な判断材料です。

症状や感染の有無、腎臓の状態なども合わせて判断します。


自然に出ることが見込める大きさや位置のときは、痛みを抑えながら経過をみます。

一方で、積極的な治療が必要な場合は、体外から衝撃波で砕く治療や内視鏡治療などを検討するため、必要に応じて対応できる医療機関をご紹介します。


当院では、ご希望も踏まえて治療方針を決めていくので、お近くの方はお気軽にご来院ください。


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🔸 再発を防ぐために|今日からできること

尿路結石は再発することがあるため、予防も大切です。

海外の研究では、特発性カルシウム結石患者の5年間の追跡で、水分を多くとったグループの再発はおよそ1割にとどまり、対策をしなかったグループの約3割と比べて低いという結果が報告されています。


再発予防のために、今日から意識できることが4つあります。


✅ 水分をこまめにとる

✅ 動物性たんぱく質、塩分をとりすぎない

✅ 糖分の多い飲み物をとりすぎない

✅ 体重と生活習慣を整える


意外かもしれませんが、食品などに含まれるカルシウムは控える必要はありません。

海外の調査では、食事からカルシウムをとっている方のほうが、結石になりにくいと報告されています。


これは、カルシウムが腸の中でシュウ酸と結びつき、シュウ酸の吸収を減らすためと考えられています。

シュウ酸を多く含むほうれん草や紅茶などを気にする時は、乳製品などからカルシウムを一緒にとるなど、カルシウムの摂取を極端に減らさないようにしましょう。

🔸 まとめ|痛みの場所より、発熱と尿の出方で判断してください

尿路結石では、結石が尿管につまって尿の流れが悪くなると、わき腹や背中、下腹部などに突然強い痛みが出ることがあります。
姿勢を変えても楽になりにくく、吐き気や血尿を伴うこともあります。


小さい結石は自然に尿と一緒に出ることもありますが、すべての結石を自宅で様子見できるわけではありません。
発熱や悪寒がある、尿が出ない、痛み止めを使っても強い痛みがおさまらないといった場合は、診療時間を待たずに医療機関へ相談してください。


自然に出るのを待てるかどうかは、結石の大きさや位置、感染の有無、腎臓の状態などを確認して判断します。


「結石かもしれないけれど、受診するべきか迷う」という段階でも、無理に我慢せず医療機関にご相談くださいね。



では、次回のコラムもお楽しみに!


【参考文献】

  1. Sakamoto S, et al. Chronological changes in the epidemiological characteristics of upper urinary tract urolithiasis in Japan. International Journal of Urology, 2018, 25巻, 4号, p373-378

  2. Sakamoto S, et al. Chronological changes in epidemiological characteristics of lower urinary tract urolithiasis in Japan. International Journal of Urology, 2018, 26巻, 1号, p96-101

  3. 日本内分泌学会 尿路結石症

  4. 日本泌尿器科学会・日本尿路結石症学会・日本泌尿器内視鏡・ロボティクス学会 尿路結石症診療ガイドライン 第3版 2023, 医学図書出版

  5. Portis AJ, Sundaram CP. Diagnosis and initial management of kidney stones. American Family Physician, 2001, 63巻, 7号, p1329-1338

  6. Hagan PG, et al. The International Registry of Acute Aortic Dissection (IRAD): New Insights Into an Old Disease. JAMA, 2000, 283巻, 7号, p897-903

  7. Borrero E, Queral LA. Symptomatic Abdominal Aortic Aneurysm Misdiagnosed as Nephroureterolithiasis. Annals of Vascular Surgery, 1988, 2巻, 2号, p145-149

  8. 日本循環器学会・日本心臓血管外科学会・日本胸部外科学会・日本血管外科学会 2020年改訂版 大動脈瘤・大動脈解離診療ガイドライン

  9. Curhan GC, et al. A prospective study of dietary calcium and other nutrients and the risk of symptomatic kidney stones. The New England Journal of Medicine, 1993, 328巻, 12号, p833-838

  10. Curhan GC, et al. Comparison of dietary calcium with supplemental calcium and other nutrients as factors affecting the risk for kidney stones in women. Annals of Internal Medicine, 1997, 126巻, 7号, p497-504

  11. Borghi L, et al. Urinary volume, water and recurrences in idiopathic calcium nephrolithiasis: a 5-year randomized prospective study. The Journal of Urology, 1996, 155巻, 3号, p839-843

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